Studies

箔の種類と選び方完全ガイド|用途・仕上がり・ロット別にプロが比較解説

箔の種類と選び方完全ガイド|用途・仕上がり・ロット別にプロが比較解説

箔には、熱と圧力で転写する「ホットスタンプ系」、UV接着剤で定着させる「コールド系」、トナーに反応させる「デジタル系」という3つの技術体系があり、その中にさらに多彩な種類が存在します。選ぶ箔を間違えると、思い通りの仕上がりにならないばかりか、素材との相性で転写不良が起きることもあります。

【箔選びに重要なポイント】

・仕上がりの質感(光沢・マット・パール・ホログラムなど) 
・転写する素材(紙・プラスチック・皮革など) 
・生産ロット(小ロット・大量生産) 
・デザインの複雑さ(細い線・グラデーション・ベタ面) 
・予算・納期

本記事では、箔の技術体系と種類ごとの特徴、用途別の選び方を解説します。KANMAKIが取り扱う箔の範囲も合わせてご紹介しますので、発注先の検討や社内企画の参考にお役立てください。

目次

箔の3つの技術体系を理解する

箔を正しく選ぶには、まず「どのような仕組みで転写するか」という技術の違いを把握することが大切です。箔加工には主に3つの技術体系があります。

ホットスタンプ(熱転写箔・箔押し)

最も歴史が長く、広く使われている箔加工の技術です。「箔押し」「ホットスタンピング」「熱転写箔」「転写箔」はいずれもこの技術を指す呼び方で、現場や業界によって使い分けられています。金属製の版(凸版)を加熱し、箔フィルムを素材に熱と圧力で転写する仕組みです。版を介することで転写位置を正確にコントロールでき、安定した品質が得られます。

紙・プラスチック・皮革・金属塗装面など幅広い素材に対応し、小ロットから大量生産まで対応できます。蒸着箔・顔料箔・黒箔・パール箔・ホログラム箔など箔の種類も豊富です。

KANMAKIはホットスタンプ箔(転写箔)の専業メーカーであり、豊富な製品ラインアップと技術支援が強みです。

コールド箔(コールドフォイル)

UV硬化型の接着剤(※紫外線を当てると硬化する特殊な糊)を印刷物の表面に塗布し、箔フィルムを圧着・UV照射して定着させる技術です。熱を使わないため「コールド(冷間)」と呼ばれます。

オフセット印刷やフレキソ印刷と組み合わせて印刷と同時に箔加工を完了できるため、大ロット生産やラベル・シール類の連続加工に適しています。細かいデザインやグラデーションへの対応力も高い反面、専用の印刷機ユニットが必要なため対応業者が限られます。KANMAKIにコールド箔の自社製品はありませんが、信頼できるパートナーを通じてご要望に合った製品をご案内いたします。お気軽にご相談ください。

デジタル箔(トナー箔)

トナー(※レーザープリンターなどで使用される粉末状のインク)に反応して箔を定着させる技術です。版が不要なため、少部数・可変データ(ひとつひとつ内容が異なる印刷物)に対応でき、近年急速に普及しています。

初期費用を抑えて箔加工を試せる点が魅力ですが、ホットスタンプに比べると光沢感や転写精度に差が出る場合があります。サンプル制作や小ロット対応に向いています。KANMAKIにデジタル箔・トナー箔の自社製品はありませんが、実績ある提携先をご紹介いたしますので、ご希望の際はお気軽にご相談ください。

KANMAKIが取り扱う箔の種類と特徴

KANMAKIが自社で製造・販売する箔と、信頼できるパートナーを通じてご提案できる箔をまとめました。

取り扱い箔の種類商品例特徴・用途
◎ 自社製造顔料箔(カラー全般)オリジナル箔(特注色)ブランドカラーを正確に再現。VOCフリー。マットな質感や深みのある色表現が可能
◎ 自社製造黒箔AB-DF8 BLACK など艶あり・マット・深い黒など多彩な表現。高い隠蔽性で光漏れ遮断用途にも対応
◎ 自社製造白箔LIT PEARL WHITE-A新雪のような繊細なきらめきのパール調白箔。通常の白箔・特殊白箔など表現多様
◎ 自社製造ゴールド箔(顔料系)BF GOLD #7真鍮色の表現でより高級感やレトロ感を出せる。鏡面光沢では出せない重厚な粒子感
◎ 自社製造パール箔CANDY PEARL(3色)パステルカラーのパール箔。シールやトレーディングカードにも使用可
◎ 自社製造オリジナル箔(特注箔)ブランドカラー特注など箔の製造メーカーだからこそのオリジナル箔。デザインやブランディングに合わせて設計
○ パートナー提案蒸着箔(金属箔)鏡面ゴールド・シルバー・カラーメタリックなどアルミ蒸着による鏡面光沢。紙用・プラスチック用で素材ごとに最適品をご提案
○ パートナー提案ホログラム箔パターン・セキュリティホログラムなど角度で色柄が変化する虹彩効果。偽造防止用途にも対応。印刷会社との連携で製造可
○ パートナー提案コールド箔大ロット・グラデーション・細かい表現に対応
○ パートナー提案デジタル箔・トナー箔版不要・小ロット対応。試作・サンプル確認向き
✕ 対応外本金箔・純銀箔伝統工芸・美術用途の打ち延ばし箔。工業用転写箔が専門のKANMAKIでは対応外

各箔の詳細は以下をご参照ください。

▼ KANMAKIが自社で取り扱う箔

顔料箔(Pigment Foil)

顔料と樹脂をベースにコーティングした転写箔です。金属光沢ではなく、鮮やかな発色と均一な色面が特徴で、ブランドカラーを正確に再現したい場面に向いています。黒箔・白箔もこの顔料箔の一種で、特に黒箔は隠蔽性(※下地の色を完全に覆い隠す性能)が高く、自動車テールランプや電子機器パーツなど光漏れを遮断する用途にも採用実績があります。KANMAKIは自社製造によるオリジナルカラーの顔料箔に強みを持ち、黒箔もKANMAKIのオリジナル主力製品のひとつです。色合わせの精度と再現性の高さに定評があります。

また、KANMAKIの顔料箔には「BF GOLD #7」という製品もあります。一般的な蒸着箔とは異なり、真鍮粉を使った金属調の顔料箔で、ヴィンテージ調のゴールドと独特の粒子感が特徴です。鏡面光沢の金箔では出せない、落ち着いた重厚感を求める場面に適しています。

パール箔・白箔(Pearl Foil)

光の角度によって真珠のような柔らかな光沢と色変化が生まれる箔です。化粧品パッケージ・ウェディング関連・高級ギフトなど、上品さや繊細さを求める用途に多用されます。KANMAKIでは「CANDY PEARL」など独自のパール箔を展開しています。

なお、白箔もパール箔と同じ用途で選ばれることが多い箔です。白箔は隠蔽性を持つ白色の顔料箔で、素材の地色を問わず白を表現できるのが特長です。一方パール箔は透明感のあるパール光沢が加わるため、やわらかく上品な仕上がりになります。どちらもウェディングペーパーや高級ギフトのパッケージに使われますが、「純白の清潔感」なら白箔、「繊細な輝きのある白」ならパール箔という使い分けが一般的です。

オリジナル箔(特注箔)

箔の製造メーカーだからこそ対応できる、デザインやブランディングに合わせた特注箔です。コーポレートカラーの忠実な再現、市販の見本帳にない色味・質感・粒子感の設計など、細かなニーズに応じてオリジナル配合の顔料箔を製造いたします。場合によってはデザイナーとの共創も可能です。

また、手軽にオリジナルの箔表現を試せる商品として「煌葉(kiraha)」があります。ボールペンで箔押し装飾ができる箔転写シートで、手帳やメッセージカード、式辞表などのデコレーションに活用されているTo C向けの商材です。

▼ 信頼できるパートナーを通じてご提案できる箔

蒸着箔(メタリック箔・金属箔)

アルミニウムを真空蒸着(※真空中で金属を加熱・蒸発させ、フィルム表面に付着させる技術)させた箔で、鏡面に近い強い輝きが特徴です。「金属箔(Metallic Foil)」とも呼ばれ、金・銀が代表的ですが、着色クリア層を変えることでカラーメタリックやマット調も展開しています。パッケージ・化粧品容器・書籍の装丁など幅広い用途に対応し、下地の色の影響を受けにくいため濃色の素材にも鮮やかに発色するのが強みです。なお「金属箔」という言葉は、金や銀などを薄く打ち延ばした伝統工芸・美術用途のものを指す場合もあります。本記事では印刷・加飾用途の転写箔(蒸着箔)として解説しています。KANMAKIに蒸着箔の自社製品はありませんが、信頼できるパートナーを通じて金属箔(蒸着箔)をご提案いたします。

ホログラム箔(Holographic Foil)

光の干渉効果によって、見る角度で色や模様が変化する箔です。虹色に輝くレインボータイプや、特定の図形・文字が浮かび上がるカスタムホログラムなど種類も多様です。偽造が極めて困難な構造から、パスポート・クレジットカード・高級ブランド品タグなどセキュリティ(偽造防止)用途にも採用されています。見た目の華やかさとセキュリティ効果を同時に得られる点が強みです。KANMAKIに自社製品はありませんが、信頼できるパートナーを通じてご要望に沿ったホログラム箔をご案内いたします。

箔の選び方:3つの軸で考える

種類が整理できたところで、実際の選び方を3つの軸から解説します。

軸1:仕上がりのイメージで選ぶ

求める表現向いている箔
鏡面に近い強い輝き蒸着箔(メタリック箔・金属箔)
ブランドカラーを正確に出したい顔料箔
レトロ・ヴィンテージ調ゴールド箔(BF GOLD #7)
落ち着いた深みのある黒黒箔(顔料箔の一種)
真珠のような柔らかい光沢パール箔
角度で色が変わる虹色の輝きホログラム箔
グラデーション・細かい表現コールド箔・デジタル箔

軸2:生産ロットと予算で選ぶ

小ロット・試作段階では、版不要のデジタル箔が初期費用を抑えやすく、仕上がりの確認にも向いています。

中〜大ロットの本番生産では、ホットスタンプが品質と単価のバランスに優れています。版代は初期費用として発生しますが、ロット数が増えるほど1枚あたりのコストが下がります。箔押し用の版を保有している場合は、デボス加工(空押し)との同時加工でさらにコストを抑えられます。

ラベル・シールの大量連続生産では、印刷と箔加工を一工程で完了できるコールド箔が生産効率の面で有利です。

軸3:転写素材で選ぶ

箔には素材ごとに専用の接着剤層が設計されており、「見た目が同じ金箔でも、紙用をプラスチックに使うと定着が悪い」というケースが起こります。紙・コート紙・プラスチック・皮革・金属塗装面など、転写する素材を事前に明確にしてから選定することが重要です。素材適性に不安がある場合は、試し押し(校正)での確認を推奨します。

まとめ:箔選びに迷ったらKANMAKIへご相談を

箔の選択は仕上がりの印象を左右するだけでなく、コストや生産効率にも直結する重要な判断です。本記事の要点を整理すると、以下の3点が箔選びの基本になります。

技術体系(ホットスタンプ・コールド・デジタル)で大まかな方向性を決める
仕上がりのイメージ(光沢・発色・質感)で箔の種類を絞る
ロット・素材・予算で最終的な選択肢を判断する

KANMAKIは転写箔(ホットスタンプ箔)の専業メーカーとして、顔料箔・黒箔・パール箔をはじめとするオリジナル箔の製造から、ホログラム箔・蒸着箔・コールド箔・デジタル箔・トナー箔といった自社製品以外の箔まで、信頼できるパートナーを通じて幅広くサポートいたします。「どの箔が自社製品に合うかわからない」「箔押し加工やエンボス加工と組み合わせて試作したい」といったご相談はお気軽にどうぞ。

KANMAKIのよくある質問

KANMAKIのよくある質問

ご注文前後によせられるご質問をまとめました。

Q1.最小ロットを教えてください

W640cm×120mのロール2本+試作品を最小ロットとしております。(最低発注金額を100,000円とさせていただいており、その金額で製造できるロットです。)
最小ロットで3cm×3cmのロゴが2万個程度作れる想定です。

Q2.試作は何回対応していただけますか

2回まで対応しています。どういう材質に箔押しをするのかの事前確認やカラーチップによる色の確認を事前に行い、場合によっては試作段階で複数案を提示することで、早期にお求めの製品になるよう調整しています。

Q3.ブランドカラーなど特色の対応はできますか

カラーチップなどで指定色のすり合わせを行い、対応可能か判断して回答しております。

Q4.印刷会社を別途探す必要がありますか

印刷・加工会社の紹介も可能です。やり取りは直接行っていただくことが多いですが、技術的なフォローも可能です。
また、印刷会社をご指定いただいての対応も承っております。

Q5.どのような物体に箔押しが可能ですか

事前に箔押しをしたい被写体を確認いたしますが、様々な被写体への箔押しが可能です。また、KANMAKIはプラスチックへの箔押しについて、技術的にも強みを持っています。

Q6.箔の見本帳やサンプルはありますか

箔の見本帳は現在準備中です。既存品のカットサンプルは無料(送料実費はご負担)にてご提供しております。

Q7.KANMAKIでオリジナルカラーの箔は作れますか?

はい、可能です。関西巻取箔工業(KANMAKI)の強みは、自社開発の顔料箔(オリジナル箔)で培った色合わせの知見と、素材特性や加工条件に対する深い理解です。お客様が求める最高の装飾を実現するため、必要に応じて他社と連携し、最適な箔を少量から大量ロットまで柔軟に提案・提供させていただきます。

KANMAKIの採用実績をみる

KANMAKI「箔々」でアイデアと出会おう

KANMAKI「箔々」でアイデアと出会おう

デザインの付加価値を最大化するには、資材の選定だけでなく信頼できる加工方法と技術を持つパートナー選びが不可欠です。KANMAKIの強みをご紹介します。

ブランドカラーを正確に表現する「オリジナル箔の製造」

箔の見本帳にないオリジナルカラーを製造できます。熟練の色合わせ技術で、ブランドカラーを正確に再現し、濃淡、ツヤ・マット、パールなど唯一のカラー表現が可能です。

高い技術力による「複雑なデザインへの確実な転写」

日本初*2の転写箔を開発した技術力と経験値があります。「色付け箇所が複雑で綺麗に色が転写できない」との課題にも対応。自動車メーターや化粧品ロゴなど、難しい被転写体へも確実な表現を実現します。

高い耐久性が製品価値を守る「工業用途にも耐える信頼性」

自動車部品の対応実績もあり、擦れや褪色に強い高耐久性を実現しています。1/1000mmレベルの均一で安定した塗膜や、エンブレムやテールランプなど光漏れを完全遮断する高い隠蔽性が必要な用途にも対応。過酷な環境下でもデザインを維持します。

企画段階から最終納品まで「安心のサポート体制」

1.専門の技術士が採用ニーズを入念にヒアリングします
2.お客様の求める表現を探索するため複数回の試作を実施します
3.納品物のズレを解消し、ご納得いただいた上で製造を開始します

*2 参照:企業概要|KANMAKI(関西巻取箔工業)

企画段階から最終納品まで「安心のサポート体制」

「金箔にしたいけど、用途に合うのかわからない」「箔にも種類があると聞いたが、何が違うのか整理できていない」といった課題をお持ちであれば、ぜひ一度ご相談ください。貴社の目指すブランドイメージを深く理解し、実現性の高い・最良の表現を共に追求してまいります。

【お問い合わせ】
箔の加工に関するご相談や箔サンプル請求など、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。