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【授業:嵯峨美術大学(2025年度前期授業)】“顔料箔”を使って作品をつくろう

前回の7月2日(水)に引き続き、7月16日(水)に嵯峨美術大学で授業を行いました。
前回の授業の様子はこちらからご覧いただけます。
https://haku-haku.jp/events/lecture_20250702/
今回の授業では、前回の転写体験を踏まえ事前に学生の皆さんにイラストのデータを制作してもらいました。授業当日はそのデータを用いて箔の転写を行い、作品を完成させました。

イラストのイメージに合わせて箔をのせていきます
事前に学生の皆さんに作成していただいたイラストデータを印刷して準備していたのですが、モノクロ印刷ではなくカラー印刷の「黒色」になっていたため、箔がうまく転写されない箇所が所々に生じるというトラブルがありました。
カラー印刷の黒は、YMCK(イエロー/マゼンタ/シアン/ブラック)の4色を重ねて表現されます。
一方、モノクロ印刷ではK(ブラック)のインクのみで黒を表現します。このK(ブラック)には、箔を接着しやすい成分が含まれているため、モノクロで印刷した方が箔をきれいに転写することができるのです。
授業では、モノクロ印刷で刷り直していただいたことで、その後はきれいに箔転写を楽しむことができました。
また、モノクロ印刷であっても、線が細い部分は転写されにくいことがあります。線が細いと箔を接着する要素もその分細くなり、うまく転写されにくくなります。

カラー印刷の黒色だったことと、デザインの線が細かったこともあり、
箔が一部転写されず印刷の黒色が残っています
イラストのデータを一部ドットにしたり、漫画を描く際に使用するトーンのように斜線を重ねることで、箔を転写した際に色に濃淡が出るよう工夫している学生さんも数名いました。

月明りを“トーン”のような斜線で表現したデザイン

先ほどのデザインを黒い紙に印刷したもの
月明かりの部分に箔がべったりと転写されたため、
トーンを削る要領でカッターを使って削り、
“ぼかし”表現ができるか実験しているところ

削った後はこのような仕上がりになりました

全色の箔をコラージュするように重ねる学生さん

1回目はオーロラ箔で転写しましたが、
転写の際にシワが入ってしまったため、
2回目にメタリックピンクの箔を重ねたところ、
金継ぎのような表現になりました


最後に今回制作した作品を並べました
それぞれに工夫がみられ、力作揃いでした
前回の授業での箔転写体験を活かし、「濃淡をつけてみたい」「ここはぼかした表現にしたい」といった、デザインの意図や工夫が見られるデータが多かった印象です。
ひとつひとつの結果を楽しむように、前向きに授業に取り組んでくださいました。
「やっていて飽きない」「ずっとやっていられる」と話してくれた学生さんもいました。
今後の皆さんの制作に、“顔料箔”や“トナー転写”が登場することがあれば、とても嬉しく思います。
嵯峨美術大学デザイン学科イラストレーション領域の学生の皆さん、ありがとうございました!
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