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エンボス加工の特徴とは?印刷方法やメリット・デメリットを詳しく解説

触れた瞬間に指先で感じる“立体感”と“奥行き”。
エンボス加工は、印刷物に立体的な表現を加えることで、視覚だけでなく触覚にも訴えかけるデザイン手法です。本記事では、エンボス加工の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、素材別活用事例、さらには箔押しとの違いまでをわかりやすく解説いたします。
関連記事:箔押し加工とは?エンボス加工との違いとメリットを解説
目次
エンボス加工の特徴と魅力
エンボス加工の特徴
エンボス加工とは、素材の表面に凹凸を表現する印刷技術です。プレス時に高圧・高温をかけることで紙の繊維が押し伸ばされ、視覚的・触覚的な立体感を付加します。凹凸部に箔を転写すると光の反射と陰影が融合し、視覚的な奥行きと触覚的な質感が大幅に向上。さらに、用紙の厚みや密度に応じてプレス圧や温度を細かく調整できるため、繊細な文字から大胆な模様まで幅広いデザイン表現が可能です。
エンボス加工の魅力
エンボス加工は、凹凸によって印刷物に独特の高級感と触感が生まれ、ユーザーが手にしたときに五感に訴える効果があることも大きな魅力です。
特にブランドロゴをエンボス加工するとデザインが一層引き立ち、視覚だけでなく触覚からも商品価値を伝えられることで、製品に高級感や差別化を与えられる点が魅力です。
エンボス加工の仕組みと種類
エンボス加工と箔押しとの違い
エンボス加工が「立体感」で魅せる技法なのに対し、箔押しは「輝き」や「色彩」で装飾性を高める技法です。両者の違いは、視覚の演出に加えて“触感の有無”にも表れます。エンボスと箔押しを組み合わせることで、より高度な表現も可能です。
エンボス加工の主な加工方式
- 凸版型エンボス:表面を持ち上げる標準的な方式で、デザインに“立体感”を与えます
- 凹版型エンボス:素材に凹みをつける方式で、デザインに“奥行き”と陰影を与えます
- 箔押しとのコンビネーション加工:箔押しとの同時加工により、立体感+メタリックの輝きまたはマットな色彩表現を実現
他にも、模様を刻んだローラーを使って熱と圧力を加える“ローラーエンボス加工”や、平面の金属板で凸版と凹版を用意して紙を挟む“平板型エンボス加工”などがあります。
エンボスとは反対に凹ませる“デボス加工”もあり、用途や表現に応じて使い分けます。
エンボス加工を活用するメリット・デメリット
メリット:立体感と高級感が印象に残る
1.視覚・触覚の両方に訴求できる
2.ブランド価値やプレミアム感を演出できる
3.デザインを差別化し、強調したい部分を効果的に表現できる
視覚と触覚への訴求力はブランド価値の向上にもつながり、高級商品ではロゴをエンボス加工することで認知度を高めるといった活用が見られます。
また、特殊な柄やテクスチャをつけることで滑り止め効果や傷が目立ちにくくなるなど、機能面のメリットもあります。
デメリット:コストや加工制限の考慮が必要
1.通常印刷に比べて加工コストが高くなる可能性があります
2.細かいデザインや紙質によっては加工が難しい場合も
細かなデザインや小さな文字は再現が難しく、加工対象となる紙や素材の厚さにも制約があるため、事前にデザインを調整することが大切です。
素材別エンボス加工の活用例
ダンボール・箱の活用事例
高級菓子の外箱デザインにエンボス加工を施すことで、商品や企業のロゴに立体感を出し、商品のブランド価値向上に寄与します。
また、陰影がくっきり出ることで、店舗陳列時や棚上で他製品よりも目を引きやすくなり、購買動機の喚起につながります。
名刺の活用事例
名刺は第一印象を左右する重要なツールであり、エンボス加工を施すことで独特の存在感を生み出せます。名刺にエンボスを施すと、高級感やデザイン面でのインパクトが高まり、受け取った相手の記憶に残りやすくなります。エンボス加工は一部分だけに施すこともでき、ロゴや氏名など強調したい部分を立体的に浮かび上がらせることでビジュアルのアクセントになります。
紙やダンボールのほか、プラスチックフィルムや金属、革などへのエンボス加工も多用されています。例えば高剛性フィルムにエンボスを施すと、離型性やクッション性、断熱性、艶消し、光拡散といった機能が付与され、工業用工程紙や窓用フィルムなどに使われています。
エンボス加工に関するよくある質問
Q1:エンボス加工とは何ですか?
A:素材の表面に凹凸を表現する印刷技術です。
Q2:エンボス加工した生地の特徴は?
A:表面に立体感があり、手触りに独特な存在感が生まれます。
Q3:エンボス加工の欠点は何ですか?
A:「細部の表現が難しい」「加工対象に制限がある」「コストが増加しがち」です。
Q4:エンボス加工のメリットは?
A:視覚と触覚の両方に訴求できることで、印象に残るデザインが可能です。
Q5:エンボス加工とデボス加工の違いは?
A:エンボス加工は紙や素材を盛り上げて立体感を出す技法で、表面に図案や文字を浮き上がらせるのが特徴です。デボス加工はその逆で素材を押し込んで凹ませ、落ち着いた印象やモダンな雰囲気を演出するのに適しています。
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