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顔料箔とは?顔料箔のメリットを解説

顔料箔は、印刷やデザイン加飾において重要な役割を果たす素材です。特に高級感や質感の違うデザイン表現が求められる際に使用され、その美しい仕上がりと機能性から多くの分野で活用されています。この記事では、顔料箔の基本的な情報から、そのメリット・デメリット、具体的な活用例までを詳しく解説します。

顔料箔とは

顔料箔とは、顔料を含むインキを使用して製造された箔のことです。顔料は、色を付けるための粉末で、水や油に溶けない性質を持ちます。これに対して、染料は水や油に溶けるため、顔料とは異なる特性を持ちます。顔料箔は、主にプラスチックフィルムや紙に、顔料と樹脂で構成されたインキをコーティングし、熱と圧力を加えて転写することで製品に加飾します。

顔料と染料の違い

顔料と染料の主な違いは、その溶解性と耐久性にあります。顔料は水や油に溶けないため、耐久性や耐光性に優れています。一方、染料は溶けるため、色の調整が容易ですが、光に弱く、時間が経つと色褪せしやすいという欠点があります。

顔料箔の加工技法

顔料箔の加工技法として代表的なのが「箔押し」です。箔押しは、熱と圧力を利用して顔料箔を製品に転写する方法で、ホットスタンピングとも呼ばれます。この技法により、紙やプラスチック、皮革など様々な素材に美しい加飾をすることができます。

顔料箔のメリット

顔料箔には多くのメリットがあります。以下で1つ1つ見ていきましょう。

高い耐久性

顔料箔は耐久性に優れており、長期間にわたって美しい状態を保つことができます。これにより、製品の価値を長く維持することが可能です。

優れた耐候性

一度転写された顔料箔は光などの環境要因に強く、色褪せしにくい特性を持っています。これにより、長期間展示される本の表紙や図録などにも数多く採用されております。

多様なデザイン表現

顔料箔は多様な色やデザインを表現することができ、製品に高級感や独自性を与えることができます。顔料箔で箔押しされた部分と印刷部分で質感の違う表現ができるので、ブランドロゴなど特徴的なデザインをより強く印象づけることが可能となります。メタリック顔料やパール、蛍光顔料を用いることで、より豪華な印象を与えることも可能です。

有機溶剤(VOC)を使用しない

顔料箔で加飾する(熱転写)際には、他の印刷方法では必要な有機溶剤(VOC)を使用せずに加工することができるため、環境への配慮にも貢献できる素材です。

顔料箔のデメリット

顔料箔にはいくつかのデメリットも存在します。以下にその主なものを挙げていきます。

高コスト

顔料箔は全体的な流通量が蒸着箔と比較すると少ないので、箔自体のコストが高くなる傾向があります。これにより、製品の価格が上昇する可能性があります。

カラーバリエーションの問題

一般的に顔料箔は、カラーバリエーションが限定的で表現できる色が限られる場合があります。

オリジナルカラーの顔料箔での対応をご検討の方はこちらよりお問い合わせください。

取り扱えるデザイナー・業界関係者がまだ少ない

顔料箔は箔の中でも流通量が少ないので、業界の関係者でも特性を理解されている方が少ない傾向です。デザイン表現の選択肢としての知名度が低いことで、顔料箔を扱える関係者が少ないことはデメリットと言えるかもしれません。

顔料箔の使い方・活用される製品

顔料箔は多くの製品に活用されています。具体例を挙げていきますので、今後のご活用の参考にしてください。   

パッケージへの加飾

ブランドロゴの表現に使用されることも多く、顔料箔は高級感を演出するため、化粧品や高級食品のパッケージやお酒のラベル等に数多く使用されます。これにより、製品のブランド価値を高めることができます。

書籍の装丁

書籍の表紙や背表紙に顔料箔を使用することで、豪華な仕上がりを実現します。数多くのベストセラー本のタイトルやデザインを彩っています。

顔料箔を活用してサスティナブルな製造に取り組もう

顔料箔は、高い意匠性から多くの製品に活用されていますが、環境への配慮にも貢献できる素材でもあります。顔料箔で加飾する(熱転写)際には、他の印刷方法では必要な有機溶剤(VOC)を使用せずに加工することができます。また、プラスチックフィルムではなく紙をベース基材に使用した製品などによって、リサイクル可能なビジネスモデルを構築できるなど、サスティナブルな印刷方法として、環境負荷の軽減に貢献することができます。ぜひ顔料箔を活用し、持続可能な加飾表現に取り組んでいきましょう。

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